ＷＢＣ優勝

今日は、ＷＢＣの日だった。ちょうど休日になっていたことを感謝。
やはり、キーは西岡であった。追い上げられた９回表、１点のリードで大塚はやはりきつい。１点差とはランナーを一人も出せないということ。１人出してしまえば常に逆転ホームランの危機にさらされる。２点、できれば、３点欲しいのが本音。そもそも先制点が敵失に近い形で入っており、４点を抱え込んだ松坂が先頭打者にホームランを打たれたりもしている。厳しい試合のメンタルは実に際どい場所で揺れる。
追い上げのきっかけを作るエラーに加え、ランナーを２塁に進められなかった川崎が１塁に残ったところで、日本シリーズばりのプッシュバントで生きた西岡。彼の技術がここで発揮された。（栗山英樹が天然芝のバントは難しいと話していた。どう難しいのかちゃんと話せよ。天然芝は転がらないのでプッシュバントが投手に捕られてしまう可能性が高い。それで打球に力を付けてしまうと、今度はセカンドが難なく処理してしまう。こういうところをつっこみ切れない古舘もがんばれ）ここで、ようやくと書きたいくらい。そもそも、彼がホームランを打っていること自体がチームのバランスが狂っている証拠。そして、イチロー。きっちりと仕事をする。ここで仕事をしなくていつやるんだという場面。さらに、イチローにとっての勲章である得点。川崎の素晴らしいホームインもよかったが、イチローのどたばたしたホームインは彼がこの大会に、このゲーム賭けてきたものを見たように思えた。試合後のインタビューでも、「からだが壊れてもいい」と話している。ヤンキースに移籍した最初の年のワールドシリーズでゴジラがホームイン後に吠えたのを思い出した。いっしょに思い出したのは、昨夏の長男のホームインだ。あれも隠れたファインプレーだった。松中のタッチアップで勝負はほぼ決まった。すでに、バックホームに覇気がない。
大塚は明らかに三振を狙っている。最後は、しっかりとバーチカルスライダー。近鉄で入札なし。中日に拾ってもらって現役続行。パドレスで夢を実現させた男が、夢のパークでもう一度夢の舞台に立っていた。レンジャースはＷＢＣに積極的な球団ではないのを強引にやってきた。そうした思いもあり、最後は必ず空振りを取りたいと願っていたようだ。
試合後の王監督とイチローの姿が印象的だった。ある頂点に立った人たちが子どものように無邪気に騒いでいる。野球と名付けた正岡子規にこの光景を詠ませたい。
ところで、この国は相変わらず感動症候群に支配されており、メディアはこぞってＷＢＣである。街頭テレビに号外。こうも簡単にわき上がってしまえるのだな。例の誤審以来だから、やはり、アメリカの一部のメディアがからかったようにＭＶＰは、ボブ・デービッド審判員か。Ｐじゃないけど。どうやらこの人、ソーサか、マクガイアのホームランでも誤審しているらしい。誤信と書いた方がよいか。
みんな、もうイナバウアーを忘れたと思う（笑）