トヨタ、リコール

三菱のリコール隠しは、事故の重大さもあって、会社そのものの存続を危うくするような広がりを見せた。今回は、トヨタリコール隠しである。トヨタは重大性はないと判断していて、警察と対立している。据えきりの際の不具合で、走行時にステアリングをいっぱいに切ることは想定しにくく、そのため、走行にただちに影響する不具合ではないとの判断らしい。が、届けなかったのは事実らしいのだ。
トヨタのように部品を多くの車体で流用する場合にはリコールの規模も甚だしく、新聞報道によれば、2005年のリコール台数は188万台にのぼり、販売台数の171万台を上回った。三菱の事件のせいか、こうしたことがさほどクローズアップされないまま、トヨタの一人勝ちが続いている。
今回の事故については、リコールそのものをどのように捉えるのかについての議論が始まるだろう。ユーザの立場からすれば、重大な欠陥はそれとして、パソコンのソフトウェアのように不具合情報が適切に流れた方がよいのか、聞かされてもどうにもならない程度の、時期モデルでの設計変更で対応できるくらいのことは聞かなくてもいいのか。クルマに限らず多くの道具がこうしたことを根本に抱えている。
今後の成り行きを注目したい。