白馬岳遭難

詳しくはわからないが、白馬山荘と山頂はすぐそこ。その範囲での遭難は衝撃ですらある。捜索隊もその範囲に到達できなかったわけだ。10年くらいになるか、真砂岳の事故もこの時期だった。山はやはり厳しい世界だと、実に当たり前の感傷をもち、背筋を伸ばした。何となく、白馬岳を見たくて海岸に出ると、2300メートルくらいから上が白く輝いている。雲に浮かんだような白い山嶺は穏やかで神々しく見えたが、それゆえ、普通の世界ではないのだ。