引き継ぎ

どの世界でも引き継ぎは難しい。
自分のスタイルの仕事に合理性や一般性を探すのはどうやらかなり特殊なことなのかもしれない。
やり方を考え、伝えるより、仕事の性質を支える考え方を共有した方がいいのかなと思って、いろいろ伝えてきたつもりだが、結局は手順が重要だったりする。
そんなことを延々とやってきたのが、この仕事か。それでも前に進める部分はあった。
2年前のこの日を思い出す。腰を半分浮かせながらぎりぎりまでキーボードを叩いていた。できることはそこまで。納得できる状態になることなんてまったくあり得ないが、かけられる迷惑だけは少なくしておこうと思うのだが、それすらも理想のまた、理想の彼方。行政などの仕事がいっそわかりやすい。
面倒だから家でやってしまおうという危険だけは認識しておきたい。どんな些細な情報も、何からどんな用途に悪用されるかはわからない。
自重せよ。自戒せよ。お前は何をどうやってきたんだ。慢心するな、自惚れるな。
静謐なることを学べ。アイザックウォルトンのことばを忘れがちになるのは、おそらく、釣りに行っていないからだろうな。