[そば]新月亭

福井県旧朝日町。
民芸調。有名人の来店写真とサイン。それだけで、期待感は萎む。
悪くはないが良くもない。その程度。それなりの有名店らしい。
猪口で配られた蕎麦湯がさみしい。湯桶は外しがたい調度なのだが。
このあたりのそばは平たく太く短い。そのうえ、独特のぬめりを伴って密度を濃く、歯触りがはっきりとするように打ってある。ここも例外ではないが、新月亭はいよいよ腰が張っており、ぶっかけで食すると少し滞る。しかし、多くの客は出されたおろし入りの猪口にざるのようにそばを付けて食べている。どうも食い方が今ひとつしっくりこない。
それでも風味はよく、大根もほどよく辛い。
彼女は、きつねそばを頼む。揚げが甘く煮てあって、関西圏を感じる。
有名人の肖像は演歌歌手が多かった。
午に近く、豪快に30尾ほど次々に揚げられていく海老天に、おろしそばは邪道だったかと感じる。4時頃、店の前を通りかかるが、クルマがたくさんあった。そういう店らしい。