イチロー三振

桑田対イチローイチローは三振。打ち気に来ている打者は、桑田には比較的与し易い。イチローは初対面で打てなかった相手との伝説を形成しやすい。今後が楽しみだ。
よくよく調べると、かの「オールド・ルーキー」という映画にでてくる中年は35歳。長谷川や吉井、小宮山クラスの年齢のようだが、桑田の39歳は突出している。最も、彼をルーキー、松坂をルーキーと呼ぶにはいささか抵抗があるが。
映像はネットで見ただけだが、ああいうものを見ていると、200勝、2000本安打なんてものが大した意味をなさないことをよく理解できる。日本ハムの田中もよくあそこまでとは思うが、彼のステージをよく再現できないし、1本のヒットが光ったような記憶も残っていない。記録によってその人をリスペクトできるものではない。リスペクトできる情景の積み重ねを記録の節目でお祝いするだけだ。
その意味では、中畑の対西武日本シリーズの起死回生のことばがふさわしい数本の(わずか、数本)のヒットは人生に影響を与える光景だった。ボクはそのときの心情を涙ながらにビニルバットに書き込んだ。宝山荘の音のでないカラーテレビの音声を白黒テレビで誤魔化していたそんな陳腐な映像であった。ハイビジョンでなくっても感動できるのだ。そして、そのビニルバットは息子たちのおもちゃとなり、今や、彼らは野球のまっただ中にいるのだ。ときどき、質の高いプレイを見せてくれる。息子としてではなく、プレーヤーとしてリスペクトするボクがいる。