むか井

釣りの予定が激しい雨で立山博物館に遊びに行くことにした。企画展も少し勉強しておく必要があるのだが、妹家族と少々旅行である。
そば、温泉というセットにする。
スーパー農道沿い、上市町から立山町にかけていい蕎麦屋が並んでいる。まず、「さえき」。ここの丁寧なそばは爽やかな風のようでもある。続いて、日中上野の「おきな」。ここも丁寧なそばである。しかし、両方休業。
そこで、岩峅寺の「むか井」へ行く。最近、けっこう人気が出てきて並ばないと食べられないくらいになっているが、お昼にまだ間があり、今なら大丈夫だろう。ここで休業だったら、クムジュンまで行くことにする。幸いに休業明けであった。
お店はただの民家だったが、どんどん蕎麦屋と化している。この日も予約席が多く、入ってすぐの小部屋に通された。ここも居心地が悪くない。パッチワークなどの手作り感がいい。
頼んだのは田舎そば。妹が天むすを頼む。お通しに、あげそばが出てきて、そば茶。あげそばを食べ終わる頃に、そばがきた。挽きぐるみのおそらく十割。来るごとに少々そばの感じが変わっているのだが、日々工夫の結果と読んでおきたい。
この店はタレが絶品である。濃いのにいやらしさがない。まったく見事である。そして、天むすの天麩羅のうまさ。からっとして香ばしい。意地悪だが、少し置いてから食べたが、少しもべたつくことがない。そのうえ、米もうまい。おにぎりではなく、むすびだな、これは。そばの時には飯を食べないが、ここだけは別。堪能した。
義弟が「もう1枚いかないんですか?」と聞く。行かない。なぜか、いつでもおそばは1枚である。
そば湯の加減もよく、机上を空にして、あがり。
お店の前には、もう人が並んでいた。