また、会いましょう

古田の惜別のことば。
客のあるスポーツで競技し続けることの難しさと素晴らしさをしっかりとことばにできる人である。しかし、そのことは「古田」を続けられなくなったときに、そこから身を引く宿命も得ている。
古田は2000本安打の記念ボールをスタンドに投げ入れた。記念とか節目にこだわる選手が多いなか、今日のお客さんにこだわる古田の姿勢は嫌いではない。逆に、節目の記録にこだわり続けて老醜をさらした選手たちが堪らなく忌まわしく疎ましい。ジャイアンツの柴田、駒田がそうだったし、今年の日本ハム田中もそうだ。そうまでして2000本にこだわる理由は何だろう。がんばっているなあと見られた時点でプロはもう引き際を見出すべきである。逆に、記録も何もなくプレーヤーにこだわる選手にはリスペクトをもつ。どこかに自分を必要とする場所があるのではないか、これからもう一度高まりに行けるのではないか。そうした意志には感動を覚える。
長嶋、王、野村。いずれも、引退後の方が長い。古田、伊東の退場は新しい時代への布石と信じたい。