伝説はこれからだ

録画だが、正座をして観た。いや、決めていたわけではない。そのような所作になったのだ。
少し精悍さ、いや、やつれたのは事実だろう、わずかに姿を変えた小橋がそこにある。姿など取るに足りない変化であると、じきに気づいた。態度である。何ものかに向き合い立ち上がる姿に、ボクはもう涙を止めることをやめた。
人はこうまでひたむきに強くなれるのか。
12月2日、後世にこの日が残るとすれば、武道館伝説が始まった日としてでなくてはならない。
つくづく、その瞬間に、ボクは野球を語っていたかと思うと口惜しい。