誇り高き戦い

密度の濃い90分だった。
ミランと対戦できることに感激するのではなく、勝つための戦いを繰り広げたところに歴史がある。
物心ついてからあの場所に「世界」があると思っていた場所にJの、しかも、レッズがいるのだ。
そのことだけでもうボクはこらえきれない。
そして、忘れてはならないのは、この戦いは日本のクラブチーム選手権にあたる天皇杯につながるゲームに挑んだ、そこらのサッカー好きのあんちゃんたちや腹の突き出たおっさんたちのチームとも連なる、そういう底辺をもつ戦いであることだ。
そこにかかわり、思いをいたしたすべての人々に恥じない誇り高い戦いであった。
もう少しの勇気と、もう少しの技術と、もう少しの何かに支えられた力を彼我に感じた。
しかし、そのもう少しを乗り切るには何年かかるのだろう。
案外、ちょっとその先かも知れない。
J嫌いの欧南米サッカー好きってのがたくさん、いる。NPB嫌いのMLB好きがたくさん、いる。
ボクはサッカー好きだ。
子どもが昼休みに興じるボール遊びですら、この誇り高き戦いに心をつないでる。
そういうものを文化という。
広言できるようになった。
いよいよ、である。
三菱浦和レッドダイヤモンズが切り開いた世界に、多くのクラブが挑んでいく。