金太郎温泉

硫黄臭のある温泉は染みる。いいものだ。朝食時間をねらって静かなお風呂に浸かる。
もともとヘルスセンター状だったが、今や王道を行こうとしているのかな。案外お客さんが多いのに驚いている。
昨夜からの宴会だったが、料理は少し面食らった。カニはこのあたりのものならベニズワイガニでその身の柔らかさやくどくない甘さがいいのだが、なぜかタラバガニ。しかも、ガーリックソースで。ベニズワイガニの茹でたのを何にも付けずに食べるあの味わい深さをお客に知ってもらうのは大切なんだが。もうひとつびっくりしたのは、キリン一番搾りのCMで使われ一気に富山の名物料理になった「ブリシャブ」。せっかくのブリに火を通して生臭く食べようと言う趣旨がわからないところへ、いつの間に富山の名物料理になったのやら。もし、政策的に行われたのなら憤る。遠隔地では少々鮮度が落ちて生臭くなってしまうブリの幼魚「フクラギ」を売り込む方がいいと思うのだが。地元でないと食べられないというのは旅を誘う。
仲間と話していたら、恵方巻きの話が出てきた。そんなものを食べたことがないのに、コンビニで売り出し始めるとまるで昔からあったかのようにふるまい始める。その節操のなさは結局自身の文化へ立ち位置をつかみきれていないせいだろう。
と思って帰りに、海岸線に立つ風力発電用のプロペラを「観光の起爆剤に」などといういよいよわからん発言よりはいいかと判断しておいた。