たなかや

詩人田中冬二は素朴な作風で知られる詩人である。
福島生まれだが、親の生家のあった富山県黒部市に強い思いを抱いている。親戚筋にあたるのが、生地温泉たなかや。足の怪我をとっとと癒したい思いもあって、朝温泉に入ったのに夕方入りに行った。すっかり湯治である。
ここのお湯はとてもすっきりしている。上杉謙信脚気に効いたという伝説が残っているのだが、お湯の成分表示がないのでたぶん温泉というわけではないのだろう。しかし、質はよく肌当たりがさらさらして、少し塩気を感じる。
長男が2歳頃に来て以来だから、いやあずいぶんになる。
入浴料600円。ロビーには田中冬二関係の展示がある。
親不知という詩や、有名な黒薙温泉を描いたものが味わい深かった。

暗い北国の海
オリオン星座は
烏賊を釣っている


日帰りで食事というお客さんや、夕食だけというお客さんも多かった。
選べる浴衣が並んでいるのを見て、彼女と、「こういうところでゆっくり泊まりたいね」と、慌ただしい都市型ホテルの宿泊ばかりになっているのを反省。