三浦雄一郎世界の頂点へ

エベレストの標高は実に際どいところなのだと聞いたことがある。あと1000mも高いと、沸点が40度ほどになってしまうので、人の体温でさえ沸騰してしまい、無論、生きてはいられない。おそらく、この山頂が限界なのだと。
前回の挑戦をBS朝日で見ていたが、人はどうしてそんな場所に行きたくなるのかと思わせるのだが、マロリーではないが、it is thereなんだろう。
山に登るという行為をマラソンに喩える人がいて、どうにも違和感を感じるのだが、今回も、75歳にしてそこに行きたいというそれだけの思いの強さを感じる。それは、彼の父親にも通じるものがある。
うちの町に住むある獣医さんは、三浦雄一郎の大学時代の先輩で、この後輩の話をよくする。うちの祖父は、おそらく三浦敬三さんとスキーをしているはずで、ほぼ同年配であった。敬三氏はアルペンスタイルで、祖父はテレマークスタイルという違いはあったが、共にスキー小唄なんぞを歌ったかもしれない。
そんな思いもあって、世界最高齢はならなかったけれど、エベレストの山の神々が三浦さんの登頂を祝福したことをまず喜びたい。
それにしても、三浦豪太。すばらしい。自分が登るよりも辛い登山を受け入れている。彼もまた、かの遺伝子を継承するキングの一人だ。そして、このキングはおごり高ぶらない。