終わらない野球はない

2回戦。海千山千の元監督をアドバイザーに据えた新興チーム。レベルの差はないが、戦術が明確。バッターボックスを走るようにして直球を躊躇なく狙い打つ。勝つための野球だ。それも、野球。
コーナーワークを信条とする投手のコーナーが悉くボールと判定される。投手殺し、捕手殺しのアンパイア。それでもぎりぎりの勝負が続くが、堰を切ったように運と風が向こうに流れ始める。
やがて、終焉。力は尽きていないだけに悔しい敗戦だ。
たくさんの人々の応援でこの場所が成り立つ。アンパイアの悪意にさえ思えるジャッジに、子どもたちの一番いいところを伸ばし、認めるのが教育だと誰かが言ったことを思い出す。責めても仕方がないが、ああいう人を放置しておく、あるいは、何かのバイアスがかかることを避けられないやり方には少々不満を残す。
それでも夏は終わった。次の夢に向かって立ち上がる息子にエールを送ろう。
終わらない野球はないが、野球は終わらない。