K市の某店

K市内の某店で打ち上げ。
そこそこに旨いものを食わせる店。都合で飲めないので食べることに専念。
小用に立つ。
座敷の外にスリッパ。3そろい。適当につっかけて便所へ。
便所は使用中で、しばらく外で待つ。
中にいたのはこの店の亭主。
出てきてすぐに、ボクのスリッパを見て、「従業員のスリッパ!」と叫ばれる。
一瞬何のことかわからない。
かまわず小用を足そうとすると、便所を激しくノック。
便所の向こうで再び「従業員のスリッパ!」と叫ぶ。
仕方なく扉を開けると、また「従業員のスリッパ!」とだけ叫ぶ。
なるほど、少々小さく、また、ぬくもりもあったので、ボクはご用聞きにきた従業員のスリッパを履いてしまったらしい。しかし、そんなのわからないって。
わけもわからずとにかく履き替え、再び小用へ。
出てきても亭主何も言わない。それどころか、睨みつけている。
時間もそこそこになったので、急に嫌になって帰ることにする。
同僚にあいさつして店を出るが、何の声もかけられない。
そうか、スリッパ一つ間違えただけでこのありさまか。
間違えたボクも悪いが、あの段階でスリッパを見極められたとは思えないので、まあ、この店が合わないのだろう。前回も、よく憶えていないが、何か印象がよくなかった。
K市ではこういうことが少なくない。前に行った2軒のパスタ屋でもそんな感じがした。
ピザやとか焼鳥屋とか好きな店もあるだけに複雑だ。
どうしてあんなに厚顔な態度で流行るのかな。
車を出すボクを亭主はくわえたばこで見ていた。
もう行かないとは言わないが、食った気がしなかったな。
「客あしらい5割」と言い切るうずら屋はすごい。そばも泣きそうなくらいにいいので、あそこの十割は恐ろしく水準が高い。
だ洒落みたいな店の名前はやっぱり気を付けないと。