野球の本を読むと
ボクは野球が好きなんだなと思うのは、子ども向けの本を読んでいてさえ泣けてしまう。
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それにしても、負けることを知らない競技はつまらない。
だれかが金メダルを取ると、この選手はこうだったとか、家族がどうこうだとかいろいろなエピソードが流れる。そんなもの誰にでもあるんだ。金メダルのやつだけが特別なら、最初から競技などやめちまえばいい。うまい下手、強い弱いがあっても、どこにも思いは募り、願いは広がる。
息子のところで読んだ本なのだが、広島の前田智徳のエピソードが描かれた本でそのなかにイチローが出てくる。そういや今日100何年ぶりとかいって8年連続200安打を内野安打で放ち、「ボクらしい」と言ったそうだが、そのイチローが憧れたのが前田智徳である。イチローが背番号51にこだわるのも、それゆえとの噂もあるが、バーニー・ウイリアムスではないかとの話もある。ともかく、そのイチローがようやくその力を見せつけ始めオールスターで同じダッグアウトに座る。前田は「内野安打ばかりじゃ面白うなかろう」とぶっきらぼうに言い放ったというのだ。イチローはおもしろいかどうかはともかくとして、内野安打を彼のスタイルとして取り込んでいる。2人の天才のすれ違いの場所が実におもしろい。
ところが、こういうのは案外子ども向きにならない。前田の矜持がなかなか理解できないのだ。
しかし、今日読んでいたシリーズは、深浦高校みたいなネタを存分に扱っている。書いている人もすごいが、こういうのをちゃんと出版している、それを買っている学校があるというのもいい。
案外捨てたものじゃない。
でも、妙にきれいだったな。誰も読んでいないか。
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