泰葉

泰葉事件とでも言いたくなるような展開だが、この人のことばには特徴がある。内容を示さずに不快感や怒りだけを並び立てている。こういうタイプの言動と、それへの過剰反応が最近目に付く。20年くらい前からテレビに現れだしたコメンテーターが、何となく気の利いた短いことばで考えることを面倒がっている視聴者を引きつけたように、ことばの微分値だけを示すことで際立って問題があるような印象を与える効果的な売名である。
慎重に観察するまでもなく、すべては泰葉からの一方的な仕掛けで、対象とされた数人に何の落ち度や非礼があったのかが全くわからない。泰葉が何かをしかけて、声高に憤りながら、自己批判と反省を繰り返す。自爆テロのはずなのだが、自爆せずにまた脱皮して出てくる。これで相手が口を開けばいよいよ泥沼、あるいは、してやったりなので、やりたい放題は続く。
うまいやり方だな。今の手っ取り早く、わかりやすさを求める時代に合っている。
何を戦っているのかは、とりあえず関心の内にない。橋下対教組の論争報道も同じ風景にある。