漏電らしい

火事の原因は漏電らしいとのことだ。いよいよ不気味だ。出火時刻がもう少し遅ければ人的被害になったかと思うと恐ろしい。そのうえ、今夜だったら風がある。想像さえしたくない。
ボンという何かの爆発音が先行した。2階にいた次男は、ほぼ直線、もっとも見晴らせる場所にいたため、その音を聞きつけて2階を降りている。同時にサイレンを聞いている。
ボクはサイレンが鳴ったのとほぼ同時にそのまま外に出た。出てからすぐに見えたのが家の裏から出ている2メートルくらいの炎と、家の上方にあるキノコ雲のような丸い煙である。たぶん、これが爆発の名残。すでに消防車は2台来ていて、ホースを伸ばしているし、隣家の人が水道水で水をかけている。家の後ろを焼いてすぐに終わると思われたが、表通りの町内会長を呼んで戻るわずかな時間の間に、すでに、真っ暗に見えていた窓すべてが紅蓮に輝いている。たちまち、2階まで火が回り、やがて、屋根が落ち、激しく火の粉が吹き出した。
夢のように展開していくが、現実だ。しかし、今朝、焼け跡を見るまではそれも不思議と実感のない、ゆっくりとした空気に囲まれて再現していく。
どうやら危機的な状況に見えると人の時間のコマ数がスーパースローのように増えていくものらしい。結果、通常時にはむしろスローモーションのように再生される。そんなことを聞いたことがある。
次男の部屋の室温が27度まで上昇していたという輻射熱を最もまともに受ける位置に、我が家はあったらしい。