花巻東、勝つ

好投手、優勝候補の初戦は難しいとはよくいうが、実際負けそうなゲーム。いや、なかなかの好ゲームであった。
好投手菊池が何と3本食らう。1本目は事故に思えた。2本目で偶然じゃないことがわかり、追い上げムードの中での低めのストレートを完璧にすくいあげられてからはよもやの空気が漂った。
よく鍛えられたいいチームだけに、ぎりぎりのしのぎ合いでもゲームが崩れない。どっちかミスをした方が負けだなと思っていたら、勝っている長崎日大が動く。エースを外野に回し、リリーフ。まだまだ完全に有利なのに、逃げ切りではなく、やり過ごそうという戦術になった長崎日大。こういうときに勝ち運が逃げていく。しかし、長崎日大もすごいもので、前述のホームランで突き放す。甲子園のホームランだ。偶然では生まれない。勝負の流れが傾いたかと思ったところを、花巻東が逆転、さらに突き放す。
残り1イニングになれば投球術と経験に優る菊池のものだ。最後はボール球を振らせてゲームセット。面白いゲームだった。本当にどっちに転ぶかはわからない。やってみなければわからないものだ。
それにしても、やはり泣いた方が負けである。起きてもいない結果を恐れて先にカードを引いたつもりが、実はうろたえて動いてしまっただけに終わることもしばしば、ある。組んでいるときは動かない。そういう風の行方をよく考えさせられた。
監督って辛いなあ。