カターレ動員数

今年からJ2に昇格してプロチームとしてそこそこやっているカターレ富山の悩みは観客動員数である。
3万人近くは入ろうかというホームスタジアムを有して、なお、3600人とかそのくらいの数字。人気や注目度が低いわけでもない。簡単なことだ。集客のマネジメントがうまくいっていないのだ。
今日のニュースで駅前で見に来てくださいとチラシを配っていたそうだが、それでは一向に伸びない。見たいと思っている人は少なくないし、また、チーム力がもう少し上がってこれがカターレの戦いだという形と勝利が結びついてくればもっともっとたくさんの人が来てくれるが、3000人程度という夏の高校野球の予選一回戦第一試合程度の観客では、Jの名が聞いて呆れる。
割に簡単なことで、富山県という場所を考えたアクセスマネジメントをもっているのかどうか時々疑わしくなる。
富山のような地方都市では、基本的に生活手段として自動車を使っている。最寄りの駅もない、また、結局交通手段として経路を重複するバスでの輸送がこれまでの大きなイベントで簡単に破綻することがわかっているため、シャトルバスも有効な複線路とはならない。かといって鉄道でのアクセスができるわけもなく、そんなところにキャパシティに見合わない大きなスタジアムを使い、周辺には駐車場がありません、公共交通機関を利用してくださいって、それもまた無理な話だろう。
以前、鹿島がやってきたときにそれでも2万人とまではいかないがそれに近い観客がやってきた。周辺は渋滞し、結局、ボクは近くの河原に停めてキックオフを台無しにしてしまう。そんなことが何回もあって、そのうちに慣れてしまってすぐに河原に停めて、折りたたみ自転車でアクセスした。
基本的にクルマで観戦に来るというスタイルをそう簡単に捨てきれない以上、そのことを前提にしたマネジメントをしないと、ゲーム開始の何時間も前から会場に近づき、終わってからも果てしない車列に辟易することになる。それだったら、まあ、そこまで無理していくほどもないかと考えてしまうのだ。
どういう状況でも必ず観戦に行くという人はほおっておいてもスタジアムにやってくる。這ってでもくる。観客数を増やすには、どうしようかなあ、たまに行ってみるかという感じの人をどれだけ実際に足を運ばせるかが課題になるはずだ。その道筋を付けるために、チラシ配りはあまり戦略的な方法とは思えない。
同じ北陸で、しかも、J屈指の観客数を誇るアルビレックスはどうしているのだろう。ゲームというコンテンツがよくても、結局は近寄れないイベントではどうにもならない。もっとも、富山の人は渋滞していると人気があるイベントだと思ってうれしくなるそうだが、ことサッカーファンには渋滞好きがそんなに多数派だとは思えない。
スタジアムを含めたスポーツパークのグランドデザインが全く陳腐だったとしか思えないのだが、どうだろう。優れたスポーツイベントはそのあたりが実に巧みな設えをもっているように感じている。