チーム力とは

防御率のタイトルをとったチェンだが、実は8勝しかしていない。24試合登板しての数字だから、イニングを重ねると難が出る。しかも、中4日。ジャイアンツの攻め方は徹底して粘って球数を増やすこと。中軸以外は選ぶという意識よりもとにかく振って粘っていた。3回で70球超。ここまでくれば、甘く入った球を思い切り打てばいい。その通りになって、しっかり逆転。チーム力というのはそういう戦術が浸透した状態をいう。
楽天は後がなくなった。自力に差があるように思われているが、実は、楽天はパシフィックの全球団に勝ち越して2位という珍しい記録。むろん、日本ハムにも勝ち越していて、ダルビッシュを初登板で崩したのは今年の象徴だった。交流戦で大きく負け越したのが響いて、リーグ優勝できなかった。そのことからも手合わせを重ねてゲームの中で勝ちを作っていくやり方だとわかる。2連戦を基本とした交流戦はたとえば2勝1敗というカードの構成を組みにくい、それだけ戦術的なチームだということ。今日のはどちらに転んでもおかしくはなかったが、昨日の勢いをもっていたハムの勝ち。野村野球がしばらく見られなくなるのは寂しいので、奇跡の4連勝をお願いしたい。
日本シリーズで原監督と見えれば、まさに世代交代を正面から見ることになる。長嶋、王、野村。野村は病ではなく、戦いで閉じていく。そう願いたい。