安保反対

安保50年の今日。
自動延長を間近に控えた季節には小学校の低学年だったのか。
教室の後ろでみんなで列を作って安保反対と叫んでいた。何かに反対するときには、そうするものだと思っていたが、大人になるまでにはそういう習わしも消えてしまっていた。てんで、ボクらはファッションのひとつみたいに、ヘルメットとタオル、ヤッケを身にまとい、目抜き通りを歩いたものだ。白いヘルメットに黒い金釘文字。
どこからどうみても似非だったので、職質さえもなかったが。
再履修の申し込みのために夜を徹して並んでいる場所で、歌などを叫んでいたが、フォークソングではなく、ブルースであった。
ボクらはそのパトスにちょっと乗り遅れ、バブルには少し早かった。
まあ、それもいいや。そのために、何でもおもしろがれる、オタクさえも選択的な受容の範囲に取り込めるユーティリティを身につけたんだから。