能生町

スキーにしようか、釣りにしようか迷って、スキーを選択。山に登るにはちょっと時間が足りないので、全面滑走可能というシャルマンへ。
これが本当に全部普通に滑れる。すごいものだな。やっぱり春の雪だけど、お日様の下でスキーを楽しむのは大好きだ。風が優しくっていいんだ。

太板を持参したけれど、細板でもよかったなあ。
駐車場でアップしていたら、年配のテレ夫妻が話しかけてきた。すぐに、富山県の人だとばれてしまったが、富山市にあるMとか、Cの名前を出して、どっちで買っているんだと問われ、ちょっと困った。何が困ったかというと、こういう人たちはとかく有名人の名前が付いて出る。世界が極端に限定されていて、ほとんどが知り合いみたいなところで遊んでいるらしく、ボクのようにそんなところから離れて、ぶらぶらスキーしている人はコミュニティの断絶みたいな目で見られてしまいがちだ。

テレまくり行かなかったんですかと聞かれ、いやあ、そういうのはあんまり知らないんですとしか返せなかった。
むろん、堂々とボクらのお店の名前を告げる。あんたたちが手に入れられる情報やものは、大概、ボクらにだって手に入る。そんなことよりも、この陽光と雪を楽しませてくれと、早く開放されることを願った。Yご夫妻と名乗られた。言い方なのだろうが、どうもこの頃、そういうのが面倒くさい。道具とか情報よりも、フィールドに立っていることそのものがうれしく、いとおしい。
2本ばかり滑る。オフピステは、それでも何とか滑れるような状態で、春らしくつんのめってばかりいた。朝方山頂部には積雪もあったらしい。ところどころのクラックに冷や冷やしながら、ARAIを懐かしんでいた。あそこならまだ1ヶ月大丈夫だもの。
柵口温泉まで下がって温泉センターへ。相変わらず気持ちの良い湯。人が少ないのでどうしたんだろうと思っていたら、お祭りとみなさん口にする。白山神社の祭礼のようだ。あそこは、重要無形文化財舞楽がある。ダメ元で行ってみると、これが案外適当に近寄れて、すばらしい伝統文化を見せていただいた。ここは、室町時代創建の神社が残っている。古い社に、飲み過ぎた若者がぶっ倒れていた。稚児舞もあって、その家族が紋付き袴で桟敷席に陣取っている。そういう習わしなのだろう。伝統と一緒に、そういうのがどうでもよくって、走り回る地ガキもたくさんいて、いい賑わいの祭りだった。

久しぶりに時間がゆっくり流れていた。ちょっと全身が緩んだ気になった。