白馬

伊東大貴がサマーグランプリで総合優勝しそうだというので、その瞬間を見届けようと白馬に行ってきた。
午後から出発。ニレ池に入る前に、白馬にスキー博物館らしいのができたと聞いていたので探すが、それらしい看板はなくすぐにニレ池に向かう。それなりの人が入っていて、濁りがあるせいか、ルアーの人にもぼちぼち釣れていて歓声が上がっている。
桟橋にいるフライマンがすごい。30ヤード出しているんじゃないかな。激しくロングキャスト。できないものだから、その圧倒的な振り方に驚き、また、かかってからのロッドの曲がり具合から相当に番手が高くアクションも極端なもののように思えて、またまた驚く。フライフィッシングとは幅が広いなあ。
早速90分券で、ジャンプの始まりまでの時間を過ごす。
木の下のテレストリアル待ち組のところにアントを入れるが、見に来てはぷいと横を向かれる。確実に反応はあるのに、魚があっ、あっって感じで迷ってしまうのだ。たくさん魚がいるので、そのうちくいつくやつもあって釣れるけれども、たいしておもしろくない。たぶん、サイズとティペットの太さだろう。少し古ぼけてきたかもしれない。切れないのをいいことに使っているけれど、あんまり替えないから白っぽくなっている。
桟橋が空いたのでそっちに移る。グリフィスナットを使ってみるけれど反応は同じで、ライトケヒルでも反応は同じ。沈める釣りは最近極端に嫌になっているので、ドライの選択しかない。
まず、サイズを下げる。反応が変わる。明らかに、食いが上がる。サイズ違いでもかかるけれど、反応の早い合わせが必要だったり、ちゃんと食ってくれないのは、要は合っていないということ。合っていれば、フッキングも、極端な合わせもそうデリケートになる必要はない。やはり、フライフィッシングはフライなのだ。
次に、ティペットを6Xにする。急激に反応が上がる。新品のティペットってことに効果が出ているかもしれないが、#20クラスになると5Xではアイが通りにくい。目も随分薄く遠くなっている。そういうこともあるんだ。
吐き出しに移動。ここには大物が潜んでいて、投げにくさも相まって、釣りがシビアになるのがいい。
フライの色目を緑系統に替える。夕方にはそういうハッチがあるのだ。少し早く始まったと思ってくれればいい。
案の定、せっかちな奴が食いつく。激しく走り、切られる。
何尾かキャッチの後、また、激しく走られる。寄ってはまたラインをぎゅんぎゅん引いていくが、黒っぽい魚体のニジマス。大きさは50センチ弱だが、体高がある。ピンと張りつめたような釣り方は好きだな。数分後、ネットに入れたが、リリースでも駆け出すような体力があった。元気なものだ。満足。
さらに数尾をかけて、最初の場所に移動。
サイズと色を確認するようにやはり数尾かけてから終了。
フロントでスキー博物館のことやジャンプのことを聞くが、それほど情報なし。仕方なくジャンプ台へ向かうものの、本当にこれからFISの大会があるのだろうかというゆったり感。観光局の方で聞いてみようと駐車場に入れようとするがクルマがいっぱい。手前のクルマで何かしている人に聞こうとしたら、船木だった。あんまり知らないで来ているような失礼なファンだと思われそうで、何も声をかけずにその場を離れる。それでも、生・船木に2mくらいに接近した。どうも試合の準備なのか何かでしきりにクルマの周りを回って何かしておられた。
どうも時間もありそうなので、温泉に入って、夕食を取ってからジャンプ台に行こうと近くの「みみずくの湯」に向かう。ここは、見晴らしのよいところで、露天風呂も風が渡り、なかなか気持ちがいい。向こうからすっかり丸見えだなと思いながらも、ベンチで寝そべっていた。加温、加水なく、調子のいいお湯だ。おびなたから引湯しているはず。
夕食はそばにした。のんじゃやがジャンプ台に近い。のんじゃやに向かう途中、船木のクルマに出会う。こんな時間に会場入りでも大丈夫かというくらいで、一般の開場くらいの時刻だ。この日は、船木が戻ってくるところにも会っており、なかなかシンクロな一日だった。
水切れのよくないのんじゃやのそばはぶっかけにした。なかなか、腹どまりのよいそばである。
ジャンプ台に向かうと、それなりに大会の感じが出ている。入るとすぐにテストジャンプが始まる。テストジャンパーの2人目の人が120mくらいまで飛んできた。上手な人がいるものだと思ったら、船木だった。出ないんだな。それで一連の行動が理解できた。

なかなかつかみきれなかったけれど、船木のジャンプ。楽しそうに飛んでいたなあ。おばさんたちに大人気。もうあれから12年。その年に生まれた子がラージヒルを飛んでいてびっくりした。白馬の子なんだね。
大会は、伊東が伸びずに終わり、4位。湯本が予選から3位に入る健闘。さすがに白馬の夜は涼しく、気持ちのよい風にあたった。ブユにもずいぶん刺された。
帰りは、激しく眠く、朝6時過ぎから3時間ばかり草刈りをしたのをようやくそのころになって思い出したくらいに、いろいろおもしろかった。