なかよく

新潟県知事はまだ40代の若い知事である。
新幹線の負担金に対して、このままでは払えないと抵抗した。
新幹線のルートにある県として、すべての列車が停車する駅が欲しいと、まったく全うな要求をしたのだが、沿線の他県の知事が「なかよくやりましょうよ」と呼びかける。そういう要求をするなという意味だ。
しかし、それはおかしい。むしろ、なぜ新幹線が必要なのかということになると、通過各県にすべての列車が停車する駅を作るくらいは、公費を支出している以上当然だろう。それもなく、ただ線路だけ引かせてくれとは、線路の工事分の公共事業だけが沿線の利益となりかねない。だから、本来、なかよく「どの県にもすべてに停車する駅を」と要求していくべきなのだ。
ここで使われている「なかよく」は、波風立てないでというくらいか。
民主党の激しい代表選挙が終わった。浮き彫りになった政策は、全く自民党時代と変わらない言い草の方と、歯切れ悪く、うまく未来像を描けない言い方の方で対立した。特に、前者は、野党である現在の自民党よりも遠くに感じた。
選挙はほぼ予想通りの結末だったが、これから「なかよく」していくんだという。異を捨てて和することなど可能なのだろうか。そもそもそれが政党として妥当なのか。不安定な政権が、案外奇妙な落ち着きぶりを見せるのではないかと予感している。
波風立てない「なかよし」よりは、よほど、建設的なコミュニケーションが取れたかもしれないが、どうなんだろう。闇とか、裏とか、影とか言われながら直接責任の及ばないところで表立って裏工作しているような顕示欲。そう簡単に、屋根裏にこもっては貰えまい。