15年ぶりのアルペンスキー

先日購入したスキー靴の感触を確かめるために、15年ぶりにアルペンスキーをした。何しろ靴が硬い。板が重い。よる年波も影響している。
テーマは、ボクにもカービングターンというのが可能かどうか。何しろ技術は大いに進化している。テレマークでできることでも、アルペンでちゃんとできるかどうかというのは問題だ。もうひとつは、彼女と一緒に滑れるのかどうかということ。いっしょに滑っていても、テレマークアルペンではずいぶん様子も違っていたので、たまにはアルペンで愛想ふるのもいいかなと思っていた。
滑り始めは特にどうという印象はない。この頃ではテレマークも頑丈になっているので、アルペンターンはできるし、それと大きな違いがない。踵が上がらないので不思議な感覚になったのは昔の話だ。滑ってみると、たしかに安定性は極めて高い。どこにポジション置いても平気で、例えば、ターンのきっかけ以降にスキーだけを先に走らせて少し体を遅れ気味にして内側に軸をずらしていくなどということも難なくできるのだ。テレマークは偉大だな。アルペンの技術など最初から飲み込んでいる。
そのうちに結構乗れるようになって、スタンスを広げたり、スキッディングを入れてみたり、縦に滑ってみたりといろいろ始めて見たのだが、低速で板をたわませれらない。高速ターンなら簡単なことだが、低速や小回りではなかなかそうはいかない。それは下手くそってことだ。板の性能に任せてたわませられても、小さな力しかかからない低速と小回りではそれができていない。何が悪いのかと悩みながらちょっと気持ちの悪い思いをしていた。
午後も遅くなると凍り始めた。すると、雪面をグリップできなくなってきた。だめだなあ。やっぱり、アルペンにはアルペンの深奥があって、そう簡単なわけにはいかないようだ。
帰宅後、FISワールドカップのGSを見る。解説の浦木さんが、腰が高くないと、落下する力以上の推進力を作れないという。あ、ブランコの原理だな。高いところから力をかけることで、自分で推進力を生み出すのだという。なるほど。これは、テレマークでも考えていいと思う。
息子が返し忘れたCDを返却に本屋に行く。立ち読みで、皆川賢太郎のムックを読む。外足にちゃんと力をかけることが強調されている。そうか、そういう基本は変わらないのだな。
この板をもって、今年は、野沢温泉に行きたいと思っている。行ってみて、テレマーカーがたくさん楽しそうにしていると悔しい思いになるけれど、きっと相互にいい影響があるような気もする。
今回、よく理解できたのは、もうアルペンのインストラクターは不可能だということだ。実技の技術も理論もずいぶん足りない。オファーもないけれど。

快晴の雨飾山根知駒ヶ岳。モノクロにすると、何だか凄味が増した。