電車のなかで

電車のなかはるつぼである。
いろんな人生が交錯している。
主に疲れたおじさんが空気を支配しているが、女子高生のにぎやかさがまずある。
このにぎやかさは、不思議なにぎやかさで他に波及しないし、また、他からも隔絶した場所にある。
これはこれでいい。
不可解なのは、大学生世代。
いろいろ稚拙な会話の例はあるんだが、今日のはおもしろかった。
電車というのは、レールの上を走っているので、コーナーはバンク角が付いている。
たまたま信号機の故障でコーナーの途中に止まったら電車が大きく傾いた。
「こりゃ、電車倒れるんじゃないか」
「もっとたくさん乗っていたら倒れるかもしれないけど、このくらいから大丈夫だよ」
そんな話を真剣な顔でやっていた。
大学生よ。
ヘーゲルマルクスの名前くらいは知っているんだろうな。