読みかけ

読みかけていた本を再び。
浅羽通明は、ジャーナリスティックな語り口で、文章のリズムがわりに性分に合っている。呉智英なんかもたたき込むように果断なことばで挑発していくが、浅羽はそれよりも少し批評臭い。そこが、何ともたまらなくそそる部分だが、「アナーキズム」というのを読んでいる。
興味深いのは、大杉栄である。アナーキストの代表のように言われているけれど、彼のアナーキズムには「反政府主義」のことばはあまり似合わない。権威から遠ざかること。権威が何かをなすことから離れた場所で意志を働かせること。そんなことを感じている。
この間からの塚本繁松のこともあるんだけど、細川嘉六について再評価したくなった。確か、親父が何か評伝をもっていたような。横浜事件のきっかけと言われる「改造」は本物を所有しているのだが。