書かないのはどうしてだろう

ボクが住んでいる地方は新幹線が通っていない。東京に向かうには、隣県まで特急電車で新幹線駅にアクセスする。東京駅まで約3時間半。そういう事情があって、飛行機もよく利用されているらしい(ボクは乗ったことがない)。この空港は河川敷にある珍しい空港で、福岡、北海道、韓国や中国、ロシアにも定期便をもっている典型的な地方空港である。
東京を結ぶ国内線は、以前までは全日空便だけが就航していたが、3年前に日本航空が参入してダブルトラックが実現した。これで価格競争も起きるし、便数の点でもさまざまなオプションが可能になり、喜ばしいことと言っていたのだが、この冬、日本航空が国内線最悪の収支で、3年足らずで20億円の赤字を出しているということで撤退を決めた。搭乗率が上向かないところへ会社の業績の関係もあったようだ。
ところが、東京を結ぶ路線の利用客自体は年々増加しており、県では日本航空の撤退による総輸送人員の減少に対して全日空にB767で運行する便をB777に変更してできるだけの輸送人員枠の確保を求め、全日空もできるだけそれに応じるとのこと。新幹線が開通するまでは高速交通として空路の利用はできるだけ太くしておきたいとの意向のようだ。
そこでわからないのが、市場として拡大基調にあるなかで、なぜ日本航空は多額の赤字を出してしまったのか。コスト高なのか、日本航空の便では何か不都合があるのか。利用しないボクにはなかなか理解が及ばない。実は、この件が明るみにでてからこちらの新聞をよく読み込んでいるのだが、搭乗率が低くて撤退するという言い方しかでてこない。ならば、全日空も追い込まれているはずだが、日本航空だけがそのような状況になってしまった理由に、書けない事情があるのかと勘ぐってもみたくなる。
全日空とこの県は、先日亡くなったロッキード事件の中心人物である若狭氏の縁もあり、また、今は亡きAS横浜フリューゲルスの「S」であった佐藤工業の本社を置く土地でもあり、つながりが深い。しかし、そのことが搭乗率に影響するとも思えないし、書かないことで憶測だけが広がっている。
こうなると俄然知りたくなってくるが、意外に、運行時間帯やら機内サービスの差くらいだったら笑えるな。空路もスーパーの特売みたいなものかと。

夕方のテレビでわかった。少し高いのだそうだ。なあんだ。やっぱり特売か。とすると、日本航空の商売のやり方が奇妙だな。せめて、同じ価格なら需要はあるんだから、時間帯にも因るが、せめて全日空並みの搭乗率の確保が可能だったのに。
さて、翻って北陸新幹線。地元負担のため、この県では今期800億を予算化。周辺事業まで含むと1兆3000億を負担する。これを新聞がまともに書かない。需要予測は一体どうなっているのか。長野新幹線に乗るたび、これが黒字になるとは思えない。
書けない、のだろうか。