またまた舟見山

先日手に入れたスキーシールを試してみるというか、あんまり、上手に着脱収納できないので稽古することにした。たいてい山に行くとみんな慣れていて、結局滑り出しが遅れてノートラックを食い損ねてしまうこともある。舟見山はその点、非常に手頃な場所だ。今回は、林道を使わず、スロープをそのまま登ることに。
舟川沿いの住宅展示場の前が少し広くなっているので、ここが停めやすい。ちょうど天候も回復傾向で、青空も出てきた。シールを張ってワックスを塗る。モヘアを使うのは初めてなのだ。一昨日のスキーをそのまま車内に放置していたらもう錆が出ている。凍結防止剤を浴びたんだな、きっと。シールは張り流し。いささか心許ないが、きっとこれでいいんだろう。板には、テールフックのための切り込みまであるんだが、張り流しの方が扱いがいいらしい。また、モヘアは新雪にいいとか聞く。これまで春が多かったので、こういう新雪期ではモヘアにいくぶん分がいいようだ。
斜面を見ると、スノーシューの2人連れが下りてくる。歩き方に見覚えがあると思ったら、Aちゃん夫妻だ。MSRのデナリアッセントを夫妻で使っておられる。時間的には、お昼過ぎに登って今下りてこられるところか。すれ違う際に声をかける。ご亭主の方はテレマークにも興味があって、「ほら、これ」と奥さんに見せておられる。滑るところを見せたかったが、静岡出身の奥さんがスノーシューで歩いているだけでも何だかボクにはとてもうれしく思えた。
舟見山はどうやら少し林道の除雪が入っていて、スロープが林道で切れている。どうしてこうまでして開けなくちゃいけないのかな。下の駐車場はいいんだけど、スキーヤーならハイクアップしろよと思いたくなるが、歩かないんだな、最近の人は。いや、それはちょっと違うか。ARAIなんか行くと、みんな小毛無の大斜面にハイクアップしているし、アルペンの靴でも歩きやすい機能をもったものが増えている。ヘッドのブーツはステップインのビンディングにはめると滑走モードになり、普通はハイクモードになっている。そう考えると歩けばいいのにと思うのだが、それを手間を考えるため、ボクにいいゲレンデが用意されているとも言えるわけで、まあ、人のことはいいや。
シールはすごい。シーズン当初に2度ばかりハイクアップしているが、スノーシューでは直登できなかった。そこを難なく、しかも、力を入れることなく登れる。スキーの機動力に改めて脱帽。昨日からの積雪は30センチくらいだが、よく効く。さすがに30度の斜面はきつかったが、それでもとりあえずストックに依存することなく歩ける。
ゲレンデ上部に近づいた頃、親子連れがスノーシューでやってきた。子どもは小学校1年生か、あるいは、今度1年生。雪まみれで斜面を下りていく。お父さんの方がボクに気付いて声をかけてきた。地元のNさんだ。いろいろお世話になった。再来週、地元公民館のツアーもあるんだという。いいね。谷江の堤や花房の堤を使ったルートなども紹介しておいた。
前に来たときには、林道からのトラバースルートの合流点から滑り出したが、シールがこれだけ効くので、ゲレンデのてっぺんまで行くことにした。これが作ったようなてっぺん。実は、舟見山はツインピークなのだ。ここでシールを外す。最初は慣れないので板を脱いで丁寧にやってみる。
光があふれてきた。滑り出しは、30度の急斜面。どうもこれまでの経緯で新雪には未だに苦手感がある。大丈夫だろうかと思うが、2メートルでその不安は氷解。実に快調。飛ぶように、踊るように滑って約20秒だな。いや、そんなにないか。でも、満足。歩いた分だけ滑るとは気持ちのよいものだ。
当然、2本目に向かう。最初のトレースがあるので楽々登れる。2本目はひとりパウダー8。最初のシュプールを逆位相で辿る。
どうしようかなと思って、疲れもないので3本目。てっぺんで、シールを剥がすときに板を脱がずにやってみた。これができないとずいぶん辛い局面がある。練習しておかなくては。
3本目は斜面を2ターンくらいのイメージ。ワークスティンクスは新雪でもよく切れ上がる。ラディウスも小さいのでかなり細かくいけるのだが、もっと乗り込みのリズムを波長を長いものにして雪を走る。なぜか途中で凹んだ場所があってシュプールを乱されるものの、林道まで一気に走る。林道は除雪の影響で壁になっている。ホントにもう、何をしてくれるんだか、って言ってもボクのゲレンデではないので仕方がない。
下まで来ると西からの日差しに照らされてスノーシューテレマークシュプールが残る。舟見山に挨拶をして終了。息子たちが野球のグラウンドに欠かさず礼をするのを見て、真似ている。