もったいないおばけが出る宿泊学習

学校の宿泊学習で登山と野外活動のサポートに行っていた。
思い出すのも嫌になるくらい、こんな計画を立てちゃいけないというくらいの典型的に「ダメな」宿泊学習である。その要因の多くを子どもに押しつけて、しっかりしろと叱咤する。この3日間で子どもたちの何が育ったのかが見えてこない。こんなこと書くと、もう手伝ってくれとは言ってもらえないな。それも仕方あるまい。
施設の担当者といくつか話したが、基本的に、ねらいに対して見通しをもつこととふりかえることが不足しており、アクティビティを並べ連ねてプログラムだと勘違いしているんじゃないのかなと、同様の嘆きを感じておられた。
計画段階でもともとクリアできない時間帯で組んであって、そのことを指摘すると「遅れるんです」と言い切った。そうならそうで、最初からそれを含み想定した日程を組むべきで、遅れたことを子どもたちに「あなたたちのせいで」とやっていた。
さらに、不快感をもっているのは、テントサイトの撤収でけっこう子どもたちがスムーズに活動したことを褒めたら、どうやら先生たちは不満のご様子。理由はわかっている。
先生たちはグループで責任もって撤収することを大切に考えておられるようで、ボクは最終日になっているし、そんな活動に時間をかけるのは嫌いだし、みんなの力をうまく生かして一気に片づいていく様子そのものが子どもたちの達成感になると考えていた。そのため、各テントは1人で片づけ、片づき次第、そこらのテントの撤収を手伝っていく。片づけたテントは1箇所に集めた上、手の空いた物から一気に収納する。シュラフも、ロールマットも同じで、次々に片づけて収納していく。そうでないと、人がたかっているだけで作業が進まない。しかし、先生たちは、各グループで責任をもってを言い続ける。それなら、それに見合った時間を用意しておいてあげないと、非効率でも責任もってやらなくてはならないし、そのことで遅れたとなじられてはどうにもアンビバレンツな話である。
思えば、ボクの助言を受け入れてくれたのは、牛乳パックをやめたことくらいか。なぜか、この市の学校では、野外炊飯の焚き付けには牛乳パックという定式が出来ていて、どの学校も使っているんだそうだ。しかし、野外炊飯棟のまわりは杉林で、飽きるほどに杉の枝や葉を入手できる。これを使う気がないと言うことは、つまり、下見をちゃんとしてないということになる。行ってきただけで、活動との結びつきを全く度外視して、いや、確認さえしていないかな。テントサイトの配置を想定していなかったものな。結局、サイトを作ったのはボクだ。
収穫は、テントサイトの最も奥に設置したテント。これは、本当に森の深さを感じさせた。もっとも、子どもたちは頑固に言いつけ通り6時になるまでテントから出てこなかった。少し、約束を守れない「よくない」子どもだけがボクと森の朝を味わった。
バイキングも仁王様のように立ちはだかって全部のメニューを強制的に配分されていた。それ、カロリーオーバーでしょう。
こんなのもったいない。せっかくの3日間。