あわすの

今年初めてのスキーはあわすの。学校の引率指導をお願いされた。
早々に現場に入ると、何となく懐かしい顔ぶれを見付けていろんな話に花が咲く。
ボクは子どもの直接の指導をせず、ゲレンデ内の走査などを担当している。積雪が少ないのでどうしても危険箇所が出てきて、そのうえ、いくつもの学校が錯綜するのでけっこう心配なのだ。
雪の方は今年の感じなら十分。とりあえず、全面滑走可能。昨日からの雪で、下部で2センチ、上部で5センチの新雪テレマーカーのSさん(ショップの人)がビデオ撮りをしていらした。さすが、とても上手だな。テレマークで軽い感じがする人は尊敬する。ボクの方はなかなか板に乗れない。何となくやっちゃっているのだが、板がぶれる。ワークスティンクスはとてもフレックスがよいので、ちゃんと乗るときれいにたわむのだが、板が短いせいもあって乗り場所というのか、踏み場所をしくじるとばたばたと暴れる。それでも押さえ込むくらいの適当なだましはできるようになったので、何となくやっちゃっているわけだ。
上部ゲレンデに入ると少しパウダーが残っていて、そっちを滑るとやけに快適。新雪専用板という感じだが、このすこぶる感はアルペンのときには経験できなかった。実際、今アルペン履いてパウダー行くのは無理だと思うなあ。
少し滑り慣れた子どもたちが上部ゲレンデに進んでいるので、何となく不安になって上でみんなの様子を見ていたら、案の定、空いてきたゲレンデでクラッシュが相次ぐ。制動なく速度が出ることを上手と思いこんでいる子がいるわけだ。前にも、ある学校の子どもたちの指導をお願いされたときにも指導者から率先してそういうことをやっていたので怒鳴りつけたことがあるが、今回はその怒鳴られた学校の指導をしているので、やっぱりかという思いになる。僕等はつくづく、しっかりとしたスキー指導を受けてきて、それが次の世代にも受け継がれているらしく、当時スキーを習っていた子どもたちが指導者になってちゃんと適切に指導しているわけだが、ここはどうやら野放図にスキーがうまいだけの人たちのはやすような、けしかけるような、勢いのあることだけをうまいとする指導が根付いているらしい。
ある子のクラッシュは、何とか大けがは避けられたのだが、動転していてそれ以上滑走させることができない。それで、パトロール待っているのも時間がかかるので、担いで滑ることにしたが、後悔しきり。太ももはぴりぴり悲鳴を上げたままで、途中休憩させてもらった。何しろ、速度に動転したので、ざーっと滑っていくわけにはいかない。この制動がきつい。最後は、背中の子どもに「許せ」と告げて、一気に滑った。
午後から深雪の場所に子どもたちが入っていたのでボクもそこへ走査に入ったが、生まれて初めて完全に足にきた。つった。両足。堅い斜面は支えきれない。滑走禁止の場所に入り込んで、何とかやり過ごした。
帰り際になってようやく重心を少しずらしてカービングの中心点を作る身体のこなしを思い出し始めた。こんなもので、足が痛くなりそうな予感でスキー場を後にした。