今もって不思議でしようがない

仕事場を出たのが、8時30分。この時点でおかしかった。
警備をセットしたら、誰もいないはずの部屋にアラーム。確かめにいくと、閉まっていたはずの扉が施錠ごと開いている。こんなにはっきりと開いていて気付かないことはあるのか。それでもう一度セットしてみると、それでもだめ。もう一度その部屋に戻って確認。何も変わらない。それでもう一度確認。何とか異常なしで仕事場を出る。
クルマを走らせて、黒部市の途中まで来たが、ローソンで栄養ドリンクを買おうかなと思った記憶を最後に、いきなり、記憶が入善のしまむらまで跳ぶ。ふっと気付いたように、しまむらの前にいたのだ。時計は、いつもより恐ろしく速い。まるでワープでもしたかと思うほど。NHKのラジオはいつの間にか次の演歌歌手が歌っている。
繰り返し、繰り返し思い出すが、確かに仕事のことを考えていたとはいえ、全く記憶がない。こんなことは初めてだ。酒を飲んでもほぼ記憶を飛ばすことがないのだが、今回は、狐につままれることがあるとすればこれだと思えるくらいにおかしい。
黒部川を渡った記憶がないばかりか、新しい国道バイパスとの合流さえ意識にない。どうやら、その間一度もブレーキを踏まなかったようなのだが、前を走っているクルマの記憶さえないのだ。いつもは、前を走る軽トラやトヨタ車にいらいらしている。
疲れているのか、例えば、こういうのは脳梗塞なんかの症状なのか。自分が何をしていたのかわからないとは、ボクのような臆病者にはいよいよ怖い。
今日は、確かに時間があっという間に走り去るような日だった。1月の終わりにふさわしいといえば、ふさわしいが。