歴史読本

昭和63年とあるから、かれこれ20年も前の歴史読本。お社のことを特集していたので買ったものらしい。その頃は、何かの学会なんかにもいくつか入っていて、そんな興味もあったのかも知れない。
北野天満宮神田明神に加えて、生駒山の聖天さまが掲載されていた。数年前、弟に子どもが生まれたので大阪を訪ねた折り、安い宿を探してみるとこの「聖天さん」(こちらの人はこう呼ぶようだ)の門前町で、何も知らないので宿の人は驚いていた。日本で最初のケーブルカーが設置された場所で猫バスのような装飾を施してぴかぴか光っていた。こんなの需要があるのだろうかと思ったが、実は年間300万人が訪れるのだそうで、ボクらが泊まった宿も参拝の方のものらしく、居合い抜きの道場付きのエキセントリックな佇まい。いや、そこにエキセントリックを感じたのは、その土地の霊気を知らないボクのせいであって、むしろ、似つかわしいものだった。
翌朝、お参りをしてきたが、朝も早くからケーブルカーは人を吐き出していた。
何だか不思議なものだが、知らずに読んでいたものと結び付いていることは、しばしば陥る既視感である。