浦和レッズ

日本のスポーツを変えたのは、早慶戦であり、長嶋茂雄力道山、猪木、ガッツ石松原田雅彦らがあるのだが、ビジネスモデルでいえば、Jリーグだろう。しかし、現実には、鹿島と浦和を最も大切な役割を演じ、今もその場所にあると考えておかねばなるまい。
鹿島の功績は、日本リーグの強豪ではなかったチームがジーコを迎えてサッカーというイデオローグをしっかりと定着させたことだ。何より、動けなくなる前のジーコに間に合ったのは大きい。川崎ヴェルディが結局ジャイアンツ的な論理から抜けきれずに次第に凋落していったのと対照的である。今は往時の力はないものの、サポーターが熱く支え、何とかトップチームの一角にいる。
浦和の功績は、チームとしても経済的にも、スポンサーではなく、サポーターに支えられる姿を現出したことだ。それが、今もミスター・レッズとさえ呼ばれる福田が抜けてから黄金期が始まっている。それが何を意味しているかを多くは語るまい。スポンサーはひと頃衰弱死寸前であった。ようやく最近業績を何とか上向きにできるようになってきた。それだから、サポーターは一層張り切ったのか、それとも、サッカーを県技とさえ言い切る埼玉の熱心さがあるのか。
その浦和が、アジアCLで決勝、王手をかけた。あの憧れのトヨタカップの舞台に日本のチームがアジア代表として立つかもしれないのだ。思えば、1年に1度だけ、世界のサッカーが日本に現れた。何はなくともその日だけは昼間は家に籠もった。あの場所に、浦和が立つのである。まさに、URAWA PRIDE。こんな日が来るとは思えなかった。
サポーターの力とはかようなものだ。あきらめない、捨てない、へこたれない。
14日は偶然なのか、埼玉県民の日。公立学校は休日のところのあるそうだ。とはいえ、チケットはもうないらしい。うちの県が県民の日をやるとしたら一体いつだろう。そうか、YKKAPとアローズ北陸の合併で生まれるJを目指すチームの初勝利の日にでもしてもらおう。