歴史的瞬間

ACLで日本のクラブが勝って、あのトヨタカップ(今は、FIFAクラブチームワールドカップだが)に出られるわけである。この時をずっと待っていた。
子どもの頃、世界は1年に1度、トヨタカップの時だけ目に前にあった。そのことは何回も書いてきた。その場所に、浦和レッズである。J発足当初あれだけこけにされ、J2に降格さえしたチームである。埼玉スタジアムを埋めた真っ赤な波がこのチームでなければ到達できない境地を示してくれている。鹿島も、磐田も届かなかった場所に、レッズは立ち、そして、勝った。
永井のシュートは素晴らしかった。思い切り振りきっていた。2点目もそうだった。決意と意志がよく見えた。
ボクはいつの間にか正座してその瞬間を迎えようとしていた。ホイッスルが聞こえるより先に、フラッグが舞った。レフェリーが笛を手にしたのが先に目に入ってすぐに反応したのだろう。
しかし、思ったよりもスタンドは熱気に包まれるというよりは冷たい炎が燃え上がり始めている。世界はここからが始まりだ。ようやく、ここまできた。
やっぱり、赤のアウトランダーにレッズエンブレムだな。ボクはそう決意していた。浦和レッズが最初にACL制覇した年に買ったんだといつか言えるのかも知れない。埼玉にいる長男の叫び声が聞こえそうな気がした。
実は、ちょっとだけ泣いた。