糸魚川市おだじま

息子たちがそばが食いたいと言い出して、おだじまへ。
このところ家族で東に向かうことがなく、次男も三男も数年ぶりに新潟県境を越えたということ。
もうすぐ、お別れになるシャリオに乗ってこうした家族で出かけることももうほとんどあるまい。手放すと決めてから車は快調である。切なくなってくる。どこか不調でもあると踏ん切りがいいのだがと、早まったかなと奇妙な感傷にひたる。
次男は車でもよくしゃべる。彼らと、もう少し話をするために新しい車にしたのだ。いずれもそこそこ人並みになった息子たちには、シャリオは少々手狭になったうれしいことなのだと自分に言い聞かせる。
最近、琴ざわに人気が出たもので心配していたが、おだじまも改装してそれなりに客がついている。ここのそばは風味がある自然薯つなぎである。
ボクは鴨せいろ、彼女は天ぷらそば、次男が鴨南蛮で、三男は親子丼。親子丼もうまいのだ。
濃いめのだし汁とごぼう、合鴨肉がよく似合い、そば湯でのすと、そのだし汁が適度に口当たりをよくしてすっかり飲み干せる。味わい深い一品である。
店内に「自遊人」のちょっと前のが置いてあって、ボードブームも一服した今がスキーのリバイバル刻であると告げている。なるほど、そうかもしれない。昭和末期から平成初期の極楽スキーの時代から、今は大人のスキー。スキー、イタ飯、ディスコではなく、スキー、温泉、そばである。そうしてスキーもまた、山に回帰しつつある。