長い道

岳父に頼まれて探してみたのだが、何と絶版。中古の文庫版しかないのだ。作者の出身地でもあり、また、原作とした映画「少年時代」の撮影地などと宣伝している町の図書館にはあるんだろうなと思っているが、さあ、どうなんだろう。思いの外、読んだ人はいないのではないのだろうか。そういう本はたくさん、ある。ボクは「三四郎」を読んでいない。「兎の目」も数ページ。中学の時に感想文を書いて賞をいただいた「車輪の下」は、ほぼ読んでいない。本を読むという行為=内容を知ること、と誤って読書指導されることが嫌で、記憶に残していないのではなく、たぶん、読んでいない。あるいは、独特の翻訳調が嫌いで、それで手にしなかったのかも知れない。翻訳もののつまらなさがボクの英語に対する、その他外国語に対するモチベーションを喪失させているのじゃないかなと今は、そう思える。
ことばを味わうこと、内化させ、経験として蓄えていくプロセスばかりでなく、本を読むことの対話的な形成がボクはとても好きなので、記憶になかった本は、それは話がかみ合わなかったものとしてどこかに置き去るんだろう。
そんなことはどうでもよいとして、「長い道」を探さなくては。
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これは、コミック。小説とは何をどう工夫しても別のもの。