小康状態をいいことに、富山まで行った。彼女が仕事の間、町をぶらついた。基本、立ち読みの類は好物である。上州屋でティムコの、こんなの誰が買うんだろうとさえ思える細かいツールを眺めたり、新しめのマテリアルを調べたりしていた。どうも最近はそういうマテリアルに興味がもてないというのか、そこまでするよりも先に何かいい方法がありそうだと思ってしまうので、買ったのは、ハックルゲージだけであったが、店先の解説ボードがなかなかよくできていて感心した。以前のフライショップはそういうものすらなく、勉強していない奴は聞くなという位に感じられたもので、ずいぶん身近なところにあるんだなと時代の変化を感じる。もっとも、一番変化を感じるのは、メッツやフライライトがまるでレトロな扱いを受けていることである。「ベテランには愛好者も多い」くらいの書き方である。そうか、ボクもベテランの領域かと感心した。よく考えると、ハーズイヤーなんか、昔、nyamaさんに上飯田釣具店で買ってきてもらったものをそのまま使っている。
釣具屋のあとは、本屋である。ブックオフでいろいろ立ち読みした。そのうち、腰が動かなくなり、「MAJOR」の読破を断念。
続いて、カー用品店。新しいクルマの荷室に収まるようなケースを探したが、どうも適当なのがない。先週、所沢のシマショーで見つけたものが、どうも一番だったみたいだ。買っておくんだったな。イエローハットだったが、なんだか店内に活気がないのが気になった。あんまりクルマにお金をかける季節じゃなくなっているのかな。不景気感はこういう場所に顕著だ。
彼女と合流して、デパートへ。紀伊国屋で縦書きのノートを買う。最近になって字の書き方を復習しようと思っていて、その練習帳として縦書きのノートを購入。これがなかなかいい感じで、よい万年筆で丁寧に書いてみようなどと思う。使い方を想起しながら文具を選ぶのは実に楽しい。階下にも文具専門店があり、いろいろなインクを売っていた。ちょうど、欲しかったところで変わった色のものにも心が移ったが、やはり、藤沢周平が愛用したパーカーのブルーブラックにした。これは染料系で、元々のブルーブラックとは違うのだそうだが、まあ、これが標準だろう。
それからスタバで本日のコーヒーとスコーン。コーヒーはレギュラーすら大きすぎるので、ショート。スコーンは温めてもらった。意外にうまい。コーヒーは相変わらず熱すぎる。この温度で風味が飛びすぎないのは立派なものだが、取り立ててうまいと思わないのは、結局ブラックで飲むからだろう。シアトル系は入れてなんぼである。
自宅で買ってきたインク瓶を眺める。使えるものを買うのは気持ちのいいものだ。買いたい欲求は無限だが、ボクの場合、使う使わないを判断基準として節制している。何とか今日は本の誘惑に負けず、マテリアルの魔力にも打ち克って、1000円ほどの買い物で済んだ。
昔のような古本屋とレコード屋、そして、ジャズ喫茶めぐりが、今はこんな形になったんだな。
そのまま熱も引かないまま、町内会の引き継ぎへ。2年の仕事に節目を付けた。