イチローの流儀

イチローの流儀

イチローの流儀

[rakuten:book:11807464:detail]
息子が学校の図書館で借りてきた。
おもしろいので読んでみろという。なるほど、イチローのスタイルで構成されている。技術論が透けて見える。
イチローに物足りなさを感じているのはボクだけではあるまい。間違いなく彼はある種の天才であり、傲慢なほどにちりばめて、噎せ返るようにはき出す彼の領域の波動がどうしても彼のプレイへの賞賛へとつながるものの、それが野球というチーム対チームのつばぜり合いに発展しないことに、ボクはどうにも苛立ってしまう。
メジャーリーグでは、例えば、カート・シリングイチローという図式がない。マミー・ラミレス対アレックス・ロドリゲスという図式で描かれるのは、間違いなく、ボストン対ニューヨークというチームの戦いである。イチローはおそらくその感覚ではなく、自分が戦うべき相手は常に投手になるのだろうと思うし、実際、レッドソックスよりも松坂を期待しているような発言を、日本のメディア向けかも知れないが、はっきりと口に出す。
マリナーズと契約延長した際の誤算は、このチームがいつか最高のフィールドで舞う日があるだろうとの期待である。それは完全に裏切られた。多くの野球ファンにとって、シアトルマリナーズは、大分トリニータレベルである。田舎のチームである。光るものがあり、チャンピオン浦和レッズには滅法強いが、それでいてチャンピオンチームではない。
イチローが1本のセカンドゴロを誇れるような場所にいる姿を夢見ている。彼が輝いていたのは、阪神淡路大震災のあの年の中にしか見えない。松坂のような勝ち星でしかその投球を語りきれない超2流とのマッチアップは全く不釣り合いで失礼もいいところだ。
何を期待するか。1番イチロー、2番ジーター、3番Aロッドである。松井がそこにいるかどうかは、日本的な人情論を抜いてしまえば、特に考慮はいるまい。どうなんだろう。早くマリナーズが追い出してくれないか。任天堂に問題が残るのかな。