ニレ池

釣り 本 そば

朝、Ｈから電話。本は出たかと。ああ、今日届くなどと話しているうちに、釣りに行くことになった。ニレ池にしようと。彼は黒部川でばかり釣りをしているが、そういう場所の釣りは経験がない。
経路を仕事の話で盛り上がり、ニレ池に着くとお昼前。御母前でそばを食べる。Ｈは更科。ボクは荒弾き。食感も風味も良いのだが、短い。基本、短い蕎麦は論外。この店のことなので、そうなったというのではなく、意図的な長さと見た。
ニレ池で３時間券。彼は懐かしの風呂式ジュニアロッド。ボクは、これも懐かしい丸竹バンブー。リールシートがないのでポケットにリールをしまう。いい天気で、魚の活性はあるが、少しクリアすぎるか。それでも釣れないということもあるまい。
食いつきがそれほどではないものの、＃１２くらいのドライで飽きない程度に釣れる。Ｈにも何本かかかる。日差しが強くなるとかなりしぶくなってきた。６Ｘ、＃２０以下なら十分に釣れるのだが、まあ、こういうシーズンの釣りだ、５Ｘ、＃１２で続ける。それでも、５分もあれば１尾かかるのでおもしろい。
丸竹バンブーをまともな釣りで曲げるのは初めて。キャスティングは極端な先調子だが、その気になればかなり飛ぶ。＃７クラスか。ガイドが錆びて、ラインを守るため、ほぼ出したまま。先１／３だけで釣りができるような感じ。少し切ってショートロッドにしたらいいのかな。かかってからはまた自然な曲がり具合でおもしろい。相当にバットが強く、引き寄せも楽。ただ、リールがポケットでラインが足下で面倒になっている。ニレ池の人たちが何を使っているのかと不思議がっていたそうだ。何せ、節が多い。遠目にもわかるそうで、ハウスに持ち込んだらなるほどとなった。
１時間経過してマッキーズ、ロングリフターに代える。ここからは本格的な釣り。桟橋でいい結果が出ないＨはどうやら周回しているらしく、排水ゲート付近でやっている。流れが見える方が釣りやすいのだろう。それはよくわかる。川でしかやったことがないもの。ボクは桟橋居座り。
＃１６グリフィスノットで適当に釣っている。いいなあ、ここの空気は。
２時を過ぎると、フライの人が多くなってきた。やっぱり、土曜日は午後が混雑するんだな。男女の２人連れのお客さんが多い。釣りはそういう遊びになってきたらしい。
桟橋で釣る人はやけにロングキャストを試みる。以前は、ロングキャストしなくても釣れるのにと思っていたが、これきっと違うんだ。ロングキャストしたいのだ。フルライン近く出している人も少なくない。その中で適当なキャストしかできない、中途半端な中堅フライマンというのも情けない。情けないついでに、じゃあ、マッチザハッチと行こうかということにした。
小さい虫が少しでている。流れに乗っているものもあるようだが、桟橋の下に沸いているようなものもある。いずれにせよ、そのサイズの虫が気になる年頃らしいので、＃２４ＣＤＣアダルトに変更。どうやら当たり。大きいのを釣りたい気分になっているが、着水と同時にどんどんかかる。ロッドはほぼひっきりなしに曲がるが、面倒でリールファイトをやめて一気に引いている。少し乱暴だったかな。反省。５分で５尾と決めて釣っていたのは、思えば、ボクらしくない。
雨が落ちてくると、そのパターンが崩れた。それはそうだ。雨の中で羽化を期待している魚はあるまい。水面直下を引けばいいのだが、それも面倒。このまま最後の１尾を取ろうと決める。岸辺では、Ｈが続けてヒット。ずいぶん慣れている。グラスロッドはきれいに曲がるなあ。多くの人が番手の高い先調子でやっているので、取り込みはＨが一番美しい。ボクのロッドもきれいに見えていたらうれしいなあ。
最後の１尾に感謝してリリース。雨も強くなり、午後３時投了。
帰りも仕事の話ばかりしてしまった。これも反省。釣りの話がよかった。そういう日にしておけばよかった。Ｈには林檎の話も聞かなくちゃいけなかったな。あわよくば、Tiger譲ってもらうのもよかったか。
自宅に戻ると、本が届いていた。「宇奈月小学校フライ教室日記」である。Ｈにさっそく進呈。Ｈの勤務先の上司にも１冊。ボクの後任の方なのだ。いろんな迷惑をかけたはずである。
本をメガネ屋のＹくんに進呈。Ｙくんは、釣りの弟子だが、うちのメガネを一手にまかなってくれているフライマンである。彼のセンスのよい商品は遠く離れたところからも足を運ぶお客さんを作っているし、以前「フライフィッシャー」誌に掲載されたパイレックス製の魚の置物の作者でもある。
近所のＳさんにも持っていった。小さい頃、ボクの母のように接してくれた恩人である。
明日は、宇奈月方面にも持参する予定。
お世話になった人にこうやって小さな恩返し。
ボクの分は、仏壇に供えた１冊でいいや。
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Amazonはまだみたいですね。