峠の達人

仕事で宇奈月温泉へ。
豆乳プリンなんかを食べてのんびりしていて、思い立って山彦橋の遊歩道へ出かけると、そこに初老の紳士。
少し声を交わすと、何とボクのことを話し始める。
「それは、ボクです」
と答えると、そのうちに峠の達人先生だとわかった。
以前、ある会誌に書いた文章に、わざわざ葉書でほめてくださったのだ。
中島敦の「山月記」を引用して描いた母とボク、弟の三人の寅年の物語だ。あれから、12年経っている。
ふと、本当に気まぐれにそこに向かった。
川の導きである。