スピーチ

子どもの頃、教室で「今日は、何か発表できましたか」と言われ戸惑った記憶がある。発表というのは、あるまとまりをもった、今の使い方で言うとプレゼンにあたるものだと思っていたボクは、いろいろ話したけれども、発表した記憶はないので黙っていて、先生から妙な顔をされた。そんなすり込みかもしれない記憶が残っている。
手を挙げて発表する。
そんな当たり前も、ちゃんと考えると案外習慣になっているだけで、けっこう妥当性は疑わしい。
麻生太郎氏の話し振りを聞いていると、ぶら下がりも、国会答弁も、談話も、どっかで話したことも全部ぶれていない。話し振りがぶれていないだけで内容はぶれまくりらしいが、そこんところはとりたててつっこまない。どういう話し方なのかなと考えていたら、そうか、結婚式のテーブルスピーチだなと気付いた。親戚じゃなくって、上司のお話。あのしゃべり方とすれば一級品だろう。時事ネタを含めて、ユーモアもあって、少し品がない。ぶれるぶれると言われるんだけれど、本人はいっこうにその気がない。
きっと、学校教育が何でもかんでも「発表」で括ってきたことに原因があるのだろう。そういう意味で教育改革は必要だな。って、先生方は気付いているか、そんなことくらい。そうだよね。30年1日なんてことはないだろう。