書き足してしまった左幸子

終了と思っていたがもう少し書き足した。どんどんふくらんでいく。
子どもの頃、どうしてこの人の映画を学校で見せてくれないんだろうと思っていたが、子どもが素直にみられるようなものなどにでてないってことです。
これだけの稀有な女優を次世代に伝える仕事が必要だな。
あ、この仕事もそうだな。
何しろ当時の雑誌やポスターもいくつか入手できたので、これはなかなか貴重だと勝手に思っている。オークションのおかげで、人がゴミと思っている宝物が見つかる。その意味では、おもしろい時代、価値を共有できる時代になっていると言うことかな。そこまでいかなくても、その仕組みだけは整いつつあるってことか。むろん、仕組みには情意を計る術がないので、悪意や悲しみまで否応なく共有してしまうけれど。
夕方になって近くのスーパーの空きスペースに作られたジャンクな古本を眺めていた。全品100円で、思いもかけない掘り出し物があるのだ。山本周五郎を捜していたが、人気があるのか、この間目をつけたのもなくなっていた。ふと傍らを見ると映画のパンフレット。同人誌などもあるので金沢あたりの人が放出したものらしい。いろいろ憶測するが、少々寂しくもなるので、その中で何かないかと探してみた。どうやら年代はボクとあまり変わらないらしく、中学生の頃から見ていて映画が並んでいる。「天国に一番近い島」なんかもあり、思わず買いそうになったが、買ってどうすると自制。そのうちに見つけたのが名画座のパンフレット。キネマ旬報の年度別のベスト映画が並んでいて、そこに「彼女と彼」、「アンデスの花嫁」など制作配給のわからないものが書かれていた。ちゃんと明記されていて、これでまた一つピースが埋まった。
結局、こういう作業を延々と繰り返してしっかりしたクロニクルになるわけで、それには相当の時間と手間がかかるだろうなあ。ルポルタージュってそうやって書かれているんだなと、できそうもないとあきらめるいい経験をさせてもらっている。せっせと集めた資料から浮かび上がる外形よりも、こうだろうって洞察が先にある方が、考え方の性格に近い。