詳細がわからない

この間から新潟県知事が北陸新幹線金沢延伸工事の地元負担金の補正を保留しているというニュースがあって、石川県や富山県の関係者が予定通りの開業にこぎ着けられないのではないかと気をもんで、新潟県知事あての文書まで出たという。どうしてそういうことになったのかと思っていたら、夕方のニュースで新潟県知事のインタビューが流れて少し合点がいった。
新潟県内にはすでに上越新幹線が整備され、新幹線が走っていない上越地区には、ほくほく線を利用した特急列車が接続している。ほくほく線を走る「はくたか」は国内在来線最高速の時速160キロメートル運転を行っていて、東京から直江津までは乗り換え時間を含んで2時間15分くらいで到達するという。ところが、長野から信越国境を経由して進む北陸新幹線上越市高田付近の新駅までは、その経路の問題もあって2時間30分ほどかかってしまう。新幹線は、石川、富山のいわば通過路線に過ぎず、新潟県に具体的なメリットが少ないというのだ。なるほど。そのことをこれまで新聞で読んだことがなかったので、ちょっと試算してみると最寄りの新駅を使った場合に、ボクの家でも今よりも時間がかかる可能性がある。
報道していた富山県の地元局のキャスターは、「今更何を」と言っていたが、新幹線の地元負担は財政に大きな負担を強いることになっており、見逃せない問題の一つだ。新幹線を開業させて、どんなメリットと負の財産を背負い込むのか、開業ありきの議論は避けたい。
そのニュースを見ながら、やんばダムの建設中止問題を考えた。
新しい政権ではやんばダムの建設中止を打ち出した。それはこれまで迷走を続け、こじれた挙げ句に役立たずのダムになるのではないのかという国民的な懸念から生じたもので、長年反対運動を行っていた地元は当然それを支持するものと、ボクは考えていたが、それがそうでもない。もはや、建設しないことには収まりがつかないという感じなのだ。この奇妙な「地元感情」は何だろう。まさか、反対運動そのものが何かの駆け引きに使われていたとは思えないが、何がどう判断され、感情的な対立につながっているのだろう。整理された議論がないまま、憤慨する地元の人々が映像として流れ、新政権の困惑と、これみよがしな新野党のすりよりが報道されている。
そう思っていろいろ調べるのだが、もう腹は決まったのだからとっとと作ってくれというもの以外に積極的な問題を見いだせない。いや、きっと知らないだけなのだろうとは思うのだが。
整理された報道を望むのは少々難しい。今日、松井がオールスター戦以外ではシーズン初めての代打ホームランを打ったが、夕方からのニュースでも、ヤンキーズの敗戦を伝えたものは少ない。同じようなニュースばかりを見せられている。