虐待

バンキシャという番組で、埼玉でおきた児童虐待の事件を取り扱っていた。すでに、何年も前に状況が掴めていて報道でも働きかけていくつかの変化を起こしたものだったようだ。それでも防げなかったというのは辛い話で、亡くなった子の兄に当たる子が路上生活している様子を見ていたらもう涙が止まらなかった。
おなかを空かせている様子や虐待を受けている様子は、それはもうもちろんつらいのだが、何よりもそういう境遇の中でその子が時折見せる子どもらしいしぐさに気持ちが奪われた。公園のテントから抜け出た男の子が、外のお天気にでも反応したのか、ぴょんぴょんと軽くジャンプする。雪兎がお天道様に浮かれてつい飛び跳ねるみたいな、そんな姿に泣けてしまった。どんな境遇にあっても、人はちゃんと喜びを感じることができるのだと、自分の子どもたちが小さい頃に駆け出す後ろ姿を思い出して涙が溢れた。
何とかならないものか。
ボクにできることはないのか。
胸が潰れそうであった。