鵜が浜温泉人魚館

現在の上越市、以前の大潟村の海水浴場鵜が浜の温泉に行ってきた。上越市も、面積が広がったこともあってやけに温泉の多い場所。ここらの温泉は入り尽くしたので、ほくほく線沿いに越後湯沢まで着々とお湯を探していこうと思ったりしている。
新潟のガス田というのは話に聞いたことがあるんだけれど、どうもこのあたりから北の話らしい。そういえば、海に浮かぶ人工島を見たこともある。
鵜が浜の海水浴場に臨していくつかの旅館などがあるが、春早い時期なので、むろん、海は静かなまま。砂浜の向こうに米山が見えて、穏やかな印象を与えている。
人魚館は公営の施設らしい。今どきどこにでもある場所だが、なぜ人魚館なのかが現地に行かないとわからないと思っていたのだが、行ってもわかりにくかった。
この海岸に住む若者の元へ佐渡からやってくる娘があり、若者は許嫁がありながらその娘と情を交わしていた。その目印になっているのは浜辺に灯された明かりだったそうだが、ある晩、母親の言いつけで許嫁と共に夜を過ごした若者は明かりを灯すことができず、娘は迷って死んでしまったという。その話をもとに書かれたのが、小川未明の「人魚と赤いろうそく」なんだそうだ。近くには、人魚塚もあり、人魚の彫像も数カ所に、さらに常夜灯も備えられている。海岸縁にはよくある伝説の類型だが、佐渡の娘と人魚がどうつながるのかいくつか読んでみてもわからなかった。

温泉は、鉄分を多く含むナトリウム炭酸水素塩化物泉。自然湧出と書かれていたり、くみ上げとなっていたりばらばら。それでも、27度の源泉をどーっと湯船に流し込んでいるせいか、沸かしているとはいえ、お湯はすこぶるよい。褐色がかって、塩味があり、湯触りはつるつるしている。
よく温まってから近所の大潟自然公園だかなんかそういう名前のところへ。新潟というのは、潟の地形からそれがあるのだろうと思うけれど、大きな県立の公園ができているようだ。だけど、寒くてちょっとだけ眺めて帰宅。
人魚館でも、大潟でもそうだけれど、パンフレットのような案内が皆無。相互に周辺の見所を紹介してもいいように思うのだが、そういう文化ではないのだろう。自分で探してねってのも、まあ、おもしろいのかな。