新しい潮流

一昨日くらいからの寒気で、朝はすっかり雪に覆われた。このあと、出かけるまでの時間、少しだけゆっくりできるもので、テレマークのビデオを見ている。
テレマークの滑走スタイルは道具立てもそうだが、それぞれの身のこなしも相当に個性的だ。今見ているのは上野というライダー。この人はローテーションが相当に明確で、どの場面でも基本的にローテーションで動くため、後ろからの映像ではボーダーに見えることさえある。一方、アンギュレーションばりばりで滑る人もあって、マテリアルの違いもあったりするのだが、そういう世代の中でスキーをしてきたものでターン後半の雪面からのリバウンドを測るようなふんばりと抑え方がきもちよく感じる。。
こういう形が一番いいとか、こうやって滑ることで価値を生み出すというフォーマットが存在しないだけ、テレマークは気持ちがいい。その分、自分のお気に入りのマテリアルや合った場所を見つけることにも興味が広がって、フライフィッシャーがデスクでタイイングしながらも釣りの気分に浸るように、道具のカタログやらスキー紀行文を眺めているだけでも、十分にスノーフィールドに立てる。
ここ数年、マテリアルをそのままにしているで、少し勉強してみると、ロッカー元年と言われながら、実は新しい潮流がはっきりと盛り上がっているらしいのだ。
ロッカーの独特の乗り心地はこれまでどちらかというと特殊なフィールドを得意にしていた。ピステンのきいたカービングバリバリの斜面では、もちろん、ロッカーなど使う必要ななく、また、ロッカーの優位点も見えてこないが、スキーという楽しみで考えると、板を頻繁に履き替えるわけもなく、そうなれば、どんな斜面でも快適という状態はどうしたってスキーに求められる要素として欠かせない。オールラウンド性能という、いささか性能としてつかみどころのないものを無視するわけにはいかないのだ。
あるメーカーでは、接地面の変化と、ロングノーズによって対処を試み、あるメーカーではディメンションを検討している。いずれも、そのメーカーの個性が出ていて、ガレージメーカーのノリも十分にありながら、最新テクノロジーと伝統的な素材と技術が融合して行く面白さを味わうことができる。ボクの好みだが、試乗インプレッションより、開発者のインタビューが面白い。意志がどんな形で表現されたのかを読めるからだろう。よく工夫とか、革新とかいうけれど、意志を伴った戦略のない変化は全く怠惰にも劣る。
さて、明日は近所の牧場にスノーシューにでも行こうか。クロカンも悪くないな。いよいよ雪、である。半年楽しめる。