クラスのみんなと仲良くしなければならない

朝日新聞の「カジュアル読書」はわりに権威ぶっていないところが気に入っている紙面だが、重松清さんの「ポケットから」がボクお好みの文庫だの新書だのふと手にとって読んでみようかなという感じの本を紹介していて、いよいよ好ましい。
今朝は、いつも思っていることをそのまま出してもらった、そして、その考えを整理するにちょうどよい本を紹介してもらった。
こんなことばが出てくる。

友人の有無が生活の質を左右するような親しさの牢獄

ああ、いいね。そうなんだ。その牢獄から抜け出ようとすると、いよいよ刑罰は重くのしかかる。そのため、牢獄でもいずれ受刑期間が終わってしまうだろうと諦めて、情況に呑まれてしまう。
中学2年、いや、3年のときか。学級会のテーマが、「男子と女子が仲良くするにはどうしたらよいか」。今なら笑うし、当時なら権威をもって布告されてしまうのでいよいよ泣けた。でも、学校ってそういうところだったなあ。お祭りや遠足のお小遣いの金額を学級会や児童会で決めたり。
こんな風に書いてある。

「友だちとケンカしてはいけない」「友だちがいないのは寂しい」「クラスのみんなとは仲良くしなければならない」といった友情観が、裏返しに「無視」のいじめを生んでいるのだとしたら

「生んでいるのだとしたら」と婉曲に書いているけど、生んでいるんだって。気に入らない奴や反りの合わないやつ、どうも、波長がずれてしまう奴もいる。等質、同質に同調することではなく、社会で生きることを学ぶのはむしろ異質から自らの独自性を見つけることではないのか。
今日、ある仕事をしていてうちのスタッフの動きに驚いた。集団で動き、3人で出きることを6人でやることをもって協力と信じているらしい。みんながそこにかかれば自分は距離感を見ろよって、そんなことは案外通じない理屈かもしれない。とすれば、ボクはよほど「浮いている」存在に見えて、もし、学校にいたら、確実に問題視されているな。あ、そうだったけどね(笑)
で、この3冊が紹介されていた。

友情を疑う―親しさという牢獄 (中公新書)

友情を疑う―親しさという牢獄 (中公新書)

心の対話者 (文春新書)

心の対話者 (文春新書)

あの人と和解する―仲直りの心理学 (集英社新書)

あの人と和解する―仲直りの心理学 (集英社新書)