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毛筆の勉強をしようと思って本を買った。

最近、山頭火をちゃんと毛筆で書きたいと思う気持ちがわき上がっていて、そうしたところに、おもしろい本を店頭で見つけた。
山頭火さん―「因果迷路と宇宙的感覚」をたえず旋回しつづけた男

山頭火さん―「因果迷路と宇宙的感覚」をたえず旋回しつづけた男

ヌーベル山頭火とかいうんだそうだが、まあ、ヌーベルバーグの映画が古典となるように時代に淘汰される種類のものだろうと思うけれど、表現のバリエーションとしていささか興が赴く。
勤務先の近所にいい本屋があるので、そこでいろいろ物色している山関係のいい本が平凡社ライブラリーからたくさん出ていることがわかる。買う本がなくなったら、あれを買おうと頭で順位を付けている。
と思ったところで、草野心平の本が欲しいなと感じた。うちの息子たちに「平」が付いているのはちょっとこの人とも関係がある。宮沢賢治はきっと草野心平がいなかったら再評価されなかったとも言う。
ところが、ないのだ。あれだけの書店に詩はわずか。そのうえ、ないのである。工藤直子や、谷川俊太郎ばかりである。この書店、教育書を以外に多く並べているので、そんなことになるのかな。斎藤孝以降、ことばは見直されているが、結局、そのへん止まりか。
結局、ネットで探すことにするが、これがまた、以外に味気ない。本屋で出会ったものは格別である。
草野心平詩集 (岩波文庫)

草野心平詩集 (岩波文庫)

このへんだな。買っておくのは。何と、新品はもうない。絶版らしい。この国の文化はどうなっているんだ。道理で国語の教科書などつまらない、子どもに平伏したご機嫌取りみたいな文章ばかりになったわけだ。